コラム

ブログ

記事タイトル「GA4の使い方 ― 最初に見るのは3つのレポートだけでいい」の文字が入ったアイキャッチ画像

GA4の使い方 ― 最初に見るのは3つのレポートだけでいい

GA4(Googleアナリティクス4)を導入したものの、開くたびにメニューの多さに圧倒されて閉じてしまう。そんな声をよく聞きます。

最初からすべての機能を使いこなす必要はありません。日々の判断に使うのは、3つのレポートだけで十分です。この記事では、その3つの見方と、毎月15分で回す手順、数字を比べるときに気をつけたいことを紹介します。

レポートの読み方は、実際の数字を当てはめると覚えやすくなります。ここからは、次のサイトの先月の数字を、レポートの例と毎月の記録の例の両方で使います。

この記事で使う事例(仮の数字)

  • 問い合わせを成果にしているBtoBのサイト(架空のサイト)
  • 先月の訪問(セッション)は2,400、問い合わせは8件
  • 前年同月は、訪問2,100、問い合わせ7件(検索経由3件・広告経由4件)
  • 先月は広告費を前年の半分にしていた

レポートを見る前に決めておくこと

GA4の数字は、見る目的が決まっていないと「増えた」「減った」で終わってしまいます。レポートを開く前に、次の2つだけ決めておきましょう。どちらも一度決めれば、毎月変える必要はありません。

  • サイトの成果は何か:問い合わせ、資料請求、購入など。1つか2つに絞ります。
  • 何と比べるか:前月か、前年の同じ月か。比べる相手がないと、数字の良し悪しは判断できません。

比べる相手は、事業の季節の上下で選びます。年度末や夏に問い合わせが大きく動く事業なら前年同月、上下が小さい事業なら前月が基本です。迷ったら両方を並べ、どちらの比較でも同じ方向に動いているかを見てください(前年比と前月比の使い分け)。

この2つを1行ずつ書いて、GA4を開く画面の横に貼っておくと、数字を見たあとに迷いません。成果がまだ数えられていない場合は、先にそちらを整えてください(データ活用は「分析」より先に「計測」から)。

最初に見る3つのレポート

3つのレポートは、訪問者の流れの順に並んでいます。どこから来たか、どこから入ったか、成果につながったか。この順で見ると、成果が増えたり減ったりしたときに、どこで変化が起きたのかをたどれます。メニューの名称と場所は2026年9月時点のもので、GA4の画面は変更されることがあります。

1. どこから来たか ― トラフィック獲得

「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」で、訪問(セッション)がどの経路から来たかがわかります。検索(Organic Search)、広告(Paid Search)、直接の訪問(Direct)、他サイトからのリンク(Referral)などに分かれています。事例のサイトの先月は、次のとおりでした。

経路(事例・仮の数字・先月) セッション キーイベント
Organic Search1,2005
Direct6001
Paid Search4002
Referral2000

訪問が最も多いのは検索で、成果も5件と最多です。セッション100あたりのキーイベントで比べると、検索は約0.4件、広告は0.5件で、大きな差はありません。どちらも件数は数件なので、1か月だけで広告と検索の優劣は決めず、3か月分をまとめて同じ比較をしてください。

ここで見るのは、経路ごとの訪問数と、成果の数です。訪問が多い経路が、成果も多いとは限りません。「Direct」が多すぎる場合は、ブックマークからの訪問だけでなく、経路が分からなかった訪問が混ざっていることもあります(流入元の分類を整理する ― 「直接アクセス」が多い理由)。

2. どのページに着いたか ― ランディングページ

「エンゲージメント」→「ランディング ページ」で、訪問者が最初に開いたページの一覧が見られます。サイトの入口がどこなのかを知るためのレポートです。ブログ記事が入口の大半を占めているのに、成果はサービス紹介ページからしか出ていない、ということはよくあります。

入口と成果のずれに気づけるのが、このレポートの価値です。入口として多いのに成果が0のページは、読者の目的と商材がずれているか、次に進む案内が無い可能性があります(着地ページ別に成果を見る ― 入口ごとの良し悪しを判断する)。上位10件のうち成果が0のページに印を付けるだけでも、直す候補が見えてきます。

3. 成果につながったか ― キーイベント

GA4では、問い合わせ完了などの成果を「キーイベント」として記録します(2024年に「コンバージョン」から名称が変わりました)。1と2のレポートにも「キーイベント」の列があり、経路別・入口別の成果がわかります。キーイベントが設定されていないと、ここは0のままです。

レポート わかること
トラフィック獲得 どの経路の訪問が、成果につながっているか
ランディング ページ どのページが入口になり、どの入口から成果が出ているか
キーイベント 成果が正しく記録されているか、何件あるか

キーイベントの列が0のままなら、見方を覚える前に設定を済ませてください(GA4の「キーイベント」設定 ― 問い合わせ完了を成果として数える)。設定が済んでいれば、営業が受けた件数と、キーイベントの件数を一度並べ、大きくずれていないかも確かめておきます。

毎月15分で見る手順

見方が分かったら、毎月同じ手順で見る習慣にします。手順が決まっていないと、開くたびに別の画面を見て、前月との比較ができなくなるからです。次の順で、1回15分を目安に進めてください。

  1. 期間を設定する:先月の1日から末日までを選び、比較に前年同月か前月を指定します。
  2. 成果の件数を書き写す:キーイベントの件数を、表計算の月次の表に1行で記録します。
  3. 経路ごとの成果を見る:トラフィック獲得で、成果が増えた経路・減った経路を1つずつ書き出します。
  4. 入口の上位を見る:ランディングページの上位10件で、前月から大きく変わったページがあるかを見ます。
  5. 気づいたことを1行書く:「広告経由が減った。広告費を減らした月」のように、数字と出来事を並べて残します。

事例のサイトで、1回分の記録を書いてみます。先月の訪問は2,400、問い合わせは8件で、前年同月は訪問2,100、問い合わせ7件。経路別では検索経由の問い合わせが3件から5件に増え、広告経由が4件から2件に減った。広告費はこの月に半分にしていた、と書き添えます。この1行があれば、翌月以降に「広告を減らしても全体の件数は保てたか」を確かめる材料になります。

15分で終わらないときは、手順の3と4を隔月にしても構いません。毎月欠かさないのは、成果の件数の記録と、気づいたことの1行です。この2つが途切れなければ、細かい分析は後からでもできます。5つの手順は表計算の1枚目に書いておき、毎月その順に埋めてください。

数字を比べるときの注意点

レポートの数字は、比べ方を間違えると誤った判断につながります。よくある落とし穴を3つ挙げます。どれも、前月比の数字だけを見て結論を出したときに起きやすいものです。

  • 時期の違いを無視する:お盆や年末年始、繁忙期は、施策と関係なく数字が動きます。前月だけでなく、前年の同じ月とも比べましょう。
  • 少ない件数で率を比べる:成果が月に数件なら、1件の違いで率は大きく変わります。率だけでなく、件数も並べて見ます(件数が少ないときに、率だけで判断しない)。
  • 成果の中身を確かめない:既存のお客様の手続きや、社内の人のアクセスが成果に混ざっていることがあります。何が数えられているかを一度確認しておきましょう。

「探索」レポートのデータの保持期間は、初期設定では2か月。「管理」→「データの収集と修正」→「データ保持」で14か月に変更しておくと、前年との比較がしやすくなります。この設定は過去にさかのぼって効かないので、早めに変えておきます(GA4を入れたら最初にやる設定 ― 5つのチェック)。

「増えた」と報告する前に、「何と比べて」「件数はいくつか」「中身は何か」の3つを横に書き添える習慣をつけると、数字に振り回されにくくなります。事例でいえば、「前年同月比で1件増(7件→8件)。件数が少なく、広告費を半分にした月」と書けば、読む人が判断を誤りません。

よくある質問

ランディングページに「(not set)」と表示されるのは何ですか

最初のページの情報が取れなかった訪問が、この名前でまとめられています。ページの表示より前に別のイベントだけが送られた場合や、長時間放置されて訪問が切り替わった場合などに現れます。全体の数%程度なら気にしなくて構いませんが、大きな割合を占めるなら、タグの設定を一度確かめてください。

ホームのレポートや自動の分析結果は見なくてよいですか

最初のうちは見なくて構いません。ホームに出る数字や自動の気づきは、そのときどきで表示が変わり、毎月同じ比較をするのには向いていません。3つのレポートを同じ手順で見る習慣がついてから、必要に応じて使い始めてください。

スマホとパソコンで分けて見たほうがよいですか

最初の3つのレポートに慣れたら、次に分けて見る価値があるのが端末の種類。BtoBでは、スマホで記事を読み、後日パソコンで問い合わせる、という動きがよくあります。スマホからの成果が少ないからといって、スマホの訪問に価値が無いとは限りません。分けて見るときは、成果の件数だけでなく、端末ごとの入口のページも並べてください(デバイス別の比較で見つかること)。

まとめ

GA4は、すべての機能を覚える必要はありません。どこから来たか、どこに着いたか、成果につながったか。この3つを毎月同じ見方で追うだけで、サイトの状態はかなり見えてきます。最初の目標は、3つのレポートを毎月同じ手順で見る習慣を作ることです。来月の最初の月曜に15分の予定を入れ、手順どおりに1回目の記録を作ってください。

GA4を見る前のチェックリスト

  • サイトの成果が1〜2つに決まっている
  • 成果がキーイベントとして記録されている
  • 比べる相手(前月・前年同月)が決まっている
  • 率と一緒に件数も見ている
  • データ保持期間を14か月にしている

記事に関することやお仕事のご相談は、下記よりお問い合わせください。

お問合せはこちら

記事一覧
datamake

施策の効果測定と実験設計が専門。 世に出ている成功事例の多くは、比較対象が置かれていないか、社会的背景と施策が分離されていないにもかかわらず、なぜか過去の多数の失敗事...

関連記事一覧