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GA4を入れたら最初にやる設定 ― 5つのチェック

GA4はタグを入れた時点から数字が貯まり始めます。ただし、初期設定のままだと後で困ることがいくつかあります。しかも、その多くは後から取り返せません。

この記事では、最初にやっておく5つの設定を、優先度の高い順に紹介します。5つとも済ませても、合わせて1〜2時間ほどの作業です。画面の場所は2026年9月時点のもので、GA4の画面は変更されることがあります。

設定しないと何がどれだけ狂うのかは、小さなサイトの数字に当てはめると見えやすくなります。各節の例は、次の1つのサイトでそろえています。

この記事で使う事例(仮の数字)

  • 社員5人の会社のサイト(架空の会社)。月の訪問は約1,000
  • 社員は、それぞれ1日に2回ほど自社サイトを開いている
  • 主力の記事は、検索での表示が月5,000回、クリックが50回、平均順位が12位
  • 成果は、問い合わせが月8件、資料請求が月20件

1. データ保持期間を伸ばす(最優先)

GA4には、詳しい分析に使えるデータをどれだけの期間残すかの設定があります。初期値は2か月と短く、その期間を過ぎた分は後から伸ばしても戻りません。通常のGA4では、選べる最長は14か月です。

設定の場所は、「管理」→「データの収集と修正」→「データ保持」です。「イベントデータの保持」を14か月に変更して保存します。変更しても、すでに消えた過去の分は戻らず、効くのは変更した時点から先だけです。

ここで影響を受けるのは、主に「探索」で行う詳しい分析です。「集客」や「エンゲージメント」などの標準のレポートの集計は、この設定に関係なく見られます。それでも、1年後に「去年の同じ時期の、この記事から来た人だけ」を探索で比べたいと思ったとき、2か月のままだと比べる材料がありません。

5つの設定を「後から取り返せるか」で並べると、優先順位の理由が分かります。

設定 遅れた場合に失うもの 後から取り返せるか
データ保持期間探索で使える過去の詳しいデータ取り返せない
自社アクセスの除外除外前の期間のきれいな数字取り返せない
サーチコンソールとの連携連携前の検索語の分析(サーチコンソール単体では16か月分見られる)一部は取り返せる
キーイベントの指定指定前のキーイベントとしての集計元のイベントがあれば、おおよそは数え直せる
よく見るレポート見なかった期間の気づきいつからでも始められる

上の2つは、遅れた日数の分だけ確実に失われます。下に行くほど、後から始めても損失は小さくなります。時間が取れない日は、上の2つだけでも先に済ませてください。

設定を変えた日付は、必ず記録しておきます。1年後に探索で前年と比べようとしたとき、「いつから14か月になっているか」が分かれば、どこまでさかのぼれるかをすぐに判断できます。有料版のGA4ではさらに長い期間を選べますが、中小企業の通常の使い方なら14か月で足ります。

作業にかかるのは数分。後回しにする理由は見当たりません。データ保持期間は、他のどの設定よりも「後から取り返せない」設定なので、この記事を読み終える前に14か月へ変えておいてください。

2. 自社アクセスを除外する

自社の社員がサイトを見た分も、そのままでは数字に入ります。訪問者が少ないサイトほど、この影響は大きくなります。事例のサイトでは、社員5人が毎日2回ずつ自社サイトを開くので、営業日20日で200訪問。月の訪問約1,000のうち、2割ほどが自社アクセスという計算です。

対処は、会社のIPアドレスを「内部トラフィック」として登録し、除外する設定にすること。手順は2段階で、まずデータストリームのタグ設定で内部トラフィックのIPアドレスを定義し、次に「データフィルタ」で内部トラフィックのフィルタを有効にします。フィルタは最初「テスト」の状態になっているので、有効に切り替えるのを忘れないでください(自社のアクセスを数えない ― 内部トラフィックの除外)。

在宅勤務や外出先からの閲覧は、IPアドレスが毎回変わるため登録しきれません。完全には防げないことを前提に、社内でのテスト送信は「テスト」と分かる内容にする、といった運用で補います。除外の設定も、過去の分にはさかのぼって効きません。

設定できたかは、社内のパソコンから自社サイトを開き、GA4のリアルタイムのレポートに自分の訪問が出てこないかで確かめます。出てくる場合は、フィルタが「テスト」のままか、登録したIPアドレスが実際の回線のものと違っている可能性があります。オフィスに回線が2本ある、拠点が複数ある、という場合は、それぞれのIPアドレスを登録してください。

除外の設定を入れた日も、保持期間と同じように記録しておきます。除外を始めた月は、訪問数が前月より下がって見えることがあります。事例のサイトなら、約1,000から約800へ、自社アクセスの分だけ減ります。サイトの不調ではないので、報告では「◯月◯日から自社アクセスを除外」と書き添えてください。

3. サーチコンソールとつなぐ

GA4とサーチコンソールをつなぐと、「どんな言葉で検索して来たか」をGA4側でも見られるようになります。GA4だけでは、検索で使われた語はほとんど分かりません。無料で、設定も数分です。

サーチコンソール側にサイトを登録していない場合は、先に登録が必要です。サーチコンソールは、検索結果での表示回数やクリック数、平均順位を知る手段で、GA4では見えない検索結果の画面での出来事が分かります。GA4側では「管理」→「サービスとのリンク」から、サーチコンソールのリンクを追加します。つないだあと、GA4のレポートの一覧にサーチコンソールの項目が出てこない場合は、レポートのライブラリで表示する設定が要ることがあります。

サーチコンソールのデータも、さかのぼれる期間には限りがあります。検索パフォーマンスは最大16か月分なので、登録が早いほど、前年との比較が早くできるようになります(サーチコンソールで改善の兆しを見つける)。

つないで分かることを、事例の主力の記事で示します。この記事は、月に表示回数5,000回、クリック50回、平均順位12位です。GA4ではこの記事への検索からの訪問が約50と分かるだけですが、サーチコンソールを見れば、「表示はされているのに、順位が2ページ目で、クリック率が1%にとどまっている」ことまで分かります。この場合の打ち手は、記事を増やすことではなく、この記事の内容と題名を見直して順位とクリック率を上げること。

登録のときに迷いやすいのが、サーチコンソールの登録方法の選択です。「ドメイン」で登録すると、httpとhttps、wwwの有無をまとめて1つとして見られますが、確認にはドメインの設定(DNS)を触る必要があります。「URLプレフィックス」で登録すると、確認は簡単ですが、登録したURLの形の分だけが対象になります。ドメインの設定を触れる人がいるならドメイン、いなければURLプレフィックスで、サイトが実際に表示されているURLの形(https・wwwの有無)を正しく選んでください。

つないだ後に見る数字は、最初は2つで足ります。検索での表示回数と、クリック数の月ごとの推移です。順位や検索語の細かい分析は、この2つを数か月追ってから始めても遅くありません。サイトの登録とGA4とのリンクは、今日のうちに両方済ませておくと、比べられる期間がそれだけ早く伸び始めます。

4. 成果をキーイベントにする

問い合わせや資料請求など、自社にとっての成果をキーイベントとして指定します。これをしないと、レポートに「成果」が出てきません。訪問数やページの表示回数は増えたり減ったりしても、それが売上に近い動きなのかが分からないままです。

手順の骨組みは、成果にする行動を決め、その行動をイベントとして記録し、キーイベントに指定する、の3段階。問い合わせの後に完了ページへ移るフォームなら、完了ページの表示をイベントにする方法がいちばん確実です。設定したら、自分でテスト送信をして、1件だけ記録されることを確かめます。

よくある誤りは、スクロールや入力開始まで何でもキーイベントにしてしまうことです。成果の数が膨らみ、どれが本当の成果か分からなくなります。最初は、問い合わせと資料請求など、売上に近い2つ程度に絞ってください(GA4の「キーイベント」設定 ― 問い合わせ完了を成果として数える)。

成果を2つに分けて数える理由を、事例の数字で示します。ある月の問い合わせが8件、資料請求が20件でした。まとめて「成果28件」とすると、翌月に問い合わせが4件に減り、資料請求が26件に増えても、合計は30件で「増えた」ように見えます。売上に近いのは問い合わせのほうなので、この変化は見逃せません。分けて数えておけば、合計では見えない入れ替わりに気づけます。

設定の後は、必ずテスト送信をします。社内のパソコンからフォームを送信し、リアルタイムのレポートでイベントが届いたことを確かめ、1〜2日後に標準のレポートにも記録されたかを見ます。ここで、2の設定で自社アクセスを除外していると、社内からのテスト送信が見えないことがあります。テストはスマートフォンのモバイル回線から行うか、除外の設定を理解したうえで確かめてください。

5. よく見るレポートを決める

GA4は機能が多く、開くたびに迷います。見るレポートを3つ程度に決めて、ブラウザのお気に入りに登録しておくと、毎回の確認が短時間で終わります。おすすめは「どこから来たか(トラフィック獲得)」「どのページに着いたか(ランディングページ)」「成果につながったか(キーイベント)」の3つです。

見る日も決めます。毎月第1営業日、または毎週月曜の朝など、予定表に入れてしまうのが確実です。見るたびに、成果の件数と、前月または前年同月との比較を、表計算の1行に書き写します。これを続けると、半年後には自社の数字の「普通の範囲」が分かり、大きく外れた月にすぐ気づけるようになります(GA4の使い方 ― 最初に見るのは3つのレポートだけでいい)。

見る日に確かめることも、3つに決めておきます。1つ目は成果の件数が前月・前年同月と比べて大きく外れていないか、2つ目は流入元の内訳に急な変化が無いか、3つ目は成果が0件の日が続いていないかです。3つ目は、計測が壊れたときのサインで、たとえば毎週数件あった問い合わせが2週続けて0件なら、フォームかタグの不具合を疑います(計測が壊れていないか ― 月1回の点検リスト)。

最後に、5つの設定を済ませた日付と内容を、1枚のメモに残しておきます。担当が替わったときや、数字が急に変わったときに「いつから何を除外しているか」をすぐ確かめられるからです。

よくある誤りは、5つの設定を済ませて満足し、見る日を決めないまま数か月が過ぎること。設定は、数字を見るための準備にすぎません。設定を済ませた週のうちに、最初の1回を実際に見て、成果の件数を1行記録するところまで進めてください。

まとめ

GA4の初期設定で大切なのは、後から取り返せないものを先にやることです。データ保持期間を伸ばし、自社アクセスを除き、成果を指定する。この3つが済めば、あとは運用しながら整えられます。下の確認リストを、上から順に埋めてください。

確認リスト

  • データ保持期間を最長にした
  • 会社のIPアドレスを内部トラフィックとして登録した
  • サーチコンソールと連携した
  • 成果をキーイベントに指定した
  • 毎回見るレポートを決めた

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施策の効果測定と実験設計が専門。 世に出ている成功事例の多くは、比較対象が置かれていないか、社会的背景と施策が分離されていないにもかかわらず、なぜか過去の多数の失敗事...

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