UTMパラメータの付け方 ― 社内で決めておく3つのルール
メールマガジンやSNSの投稿からサイトに来た人を、GA4は必ずしも正しく分けてくれません。メールソフトやアプリの種類によって、「直接アクセス」に分類されてしまうことがあるからです。これを解決するのがUTMパラメータで、リンクの末尾に付けて「どこから来たか」を自分で指定します。この記事では、付け方と社内で決めておくルールを説明します。
この記事でわかること
3つの必須項目
UTMパラメータは、リンクの末尾に「?」以降を付け足して書きます。項目はいくつかありますが、最低限は次の3つです。3つそろえると、「どこから・どんな手段で・どの施策で」来たかを分けて集計できます。
| 項目 | 意味と例 |
|---|---|
| utm_source | どこから(例:mailmag、facebook、partner-site) |
| utm_medium | どんな手段で(例:email、social、banner) |
| utm_campaign | どの施策か(例:202610-seminar) |
たとえば、10月のセミナー案内メールに載せるリンクは次のようになります。
https://example.com/seminar/?utm_source=mailmag&utm_medium=email&utm_campaign=202610-seminar
utm_medium は、GA4が流入元を大きく分類するときの手がかりにもなります。email や social のような一般的な言葉を使うと、GA4の標準の分類に正しく入りやすくなります。独自の言葉を使うと「その他」に入ることがあるので、迷ったら一般的な言葉を選びます。
付けたUTMパラメータは、GA4の「集客」の「トラフィック獲得」で、表の見出しを「セッションのキャンペーン」や「セッションの参照元 / メディア」に切り替えると確かめられます(2026年9月時点)。キャンペーン名ごとに訪問数や成果数が並ぶので、例えば10月のセミナー案内メールから何人が来て、何人が申し込んだかを1行で読めます。
3つの必須項目のほかに、utm_content という項目もあります。同じメールの中にリンクが2か所あるとき、「上のボタン」と「本文中の文字リンク」のどちらが押されたかを分けたい場合に使います。最初は3項目だけで始め、比べたいことがはっきりしてから足すほうが、書き方の乱れが起きにくくなります。
印刷物のQRコードにも、同じ考え方でUTMパラメータを付けられます。例えばチラシなら utm_source=flyer、utm_campaign=202610-exhibition のようにします。utm_medium に何を入れるかは社内で1つに決めてください。GA4の標準の分類に当てはまらない言葉だと「未分類」の扱いになることがありますが、参照元とキャンペーン名で分けて見るなら判断には困りません。
社内で決めておくルール
UTMでつまずく原因の多くは、付け方ではなく、人によって書き方がばらばらなことです。GA4は書き方が少しでも違えば別の流入元として集計するため、後から手作業で足し合わせることになります。決めておくルールは次の3つです。
| ルール | 理由と例 |
|---|---|
| 1. すべて小文字にする | GA4は大文字と小文字を別物として扱う。Email と email が別々に集計される |
| 2. 使う言葉を一覧にする | mail・mailmag・email が混ざると集計が分かれる。表計算ソフト1枚に使ってよい言葉をまとめ、全員がそこから選ぶ |
| 3. キャンペーン名に年月を入れる | seminar だけでは来年のセミナーと区別できない。202610-seminar のように年月を先頭に付けると、並べたときに時系列になる |
言葉の一覧は、例えば次のような形で作ります(自社に合わせて変えてください)。
| 使う場面 | utm_source | utm_medium |
|---|---|---|
| メールマガジン | mailmag | |
| 営業担当の個別メール | sales-mail | |
| Facebookの投稿 | social | |
| チラシのQRコード | flyer |
一覧に無い場面が出てきたら、その場で新しい言葉を作らず、一覧を管理する担当者に相談して追加する決まりにします。値には日本語や空白を使わないでください。リンクの中で別の文字に置き換えられ、レポート上で読みにくくなったり、表記が割れたりするからです。リンクを作るときは、表計算ソフトに「元のアドレス」と3項目を入力する列を作り、文字列をつなぐ式で完成したリンクを出すようにすると、手打ちの誤りが減ります。
仮の数字で、メールからの訪問が月300件あっても、「Email」「email」「mail」に100件ずつ分かれていれば、どれも小さく見えて判断を誤ります。ルールは、担当者が1人のうちに決めておくのが一番楽です。人が増えてから統一しようとすると、過去のデータとの比較が難しくなります。
ルールを決めた後に起きやすいのは、担当者の交代による崩れ。引き継ぎのときに一覧の表の場所を伝え忘れると、新しい担当者は自分の感覚で書き始めます。一覧の表には「最終更新日」と「管理する人」を書き、月1回、GA4の参照元の一覧に、表に無い言葉が紛れていないかを確かめてください。紛れていたら、どのリンクから来たかを探し、次の配信から直します。
付けてはいけない場所
UTMはどこにでも付ければよいわけではありません。付ける場所を誤ると、正しかった流入元の情報を壊してしまいます。特に次の3か所には付けないでください。
- 自社サイト内のリンク:サイト内の移動にUTMを付けると、流入元の情報が上書きされ、検索や広告から来た訪問がUTMの値に置き換わってしまう
- 検索広告のリンク:広告の管理画面と連携して自動でパラメータが付く設定の場合、二重に情報が入って混乱する。連携の設定を確認してから判断する
- 個人情報を含む値:メールアドレスや名前をパラメータに入れない。URLは記録として残り、誰でも見られる場所に転記される可能性がある
付けるときにもう1つ間違えやすいのが、「?」の重ね付け。元のアドレスにすでに「?」が入っている場合(例えば「?id=12」)、UTMは「?」ではなく「&」でつなぎます。「?」が2つあるリンクは、パラメータが読み取られなかったり、ページが正しく開かなかったりします。短縮URLを使う場合は、UTMを付けた後のリンクを短縮してください。
確認の手順は次のとおりです。
- 完成したリンクを、社内のパソコンではなくスマホから開く(社内のアクセスを除外していると、記録が見えないため)
- GA4の「リアルタイム」のレポートを開き、流入元やキャンペーン名に自分の指定した値が出るかを見る
- ページが正しく表示されるか、フォームなど後の動きに問題がないかも合わせて確かめる
付けたリンクは、配信前に確認します。自分でクリックし、GA4のリアルタイムのレポートで、指定した流入元として表示されるかを見ます。配信後に誤りに気づいても、すでに集まった訪問の分類は直せないからです。確認した日と確認した人を、一覧の表の横に書き残しておくと、後で数字がおかしいときに、どの段階で崩れたかを追えます。
よくある質問
Q. これまでの表記がばらばらでした。過去のデータは直せますか。
GA4に記録済みのデータの表記を、後から書き換えることはできません。過去分は、書き出した表をスプレッドシートで「mail」「Email」を「email」に置き換えるなどして、集計のときにそろえます。今日からルールを決めて付けた分は、そのまま比べられるようになります。
Q. 広告のリンクにもUTMを付けるべきですか。
Google広告のように、管理画面とGA4を連携すると自動でパラメータが付く広告は、まず連携の設定を確認します。自動のパラメータとUTMの両方が付いていると、どちらの情報が使われるかで集計が変わることがあります。自動でパラメータが付かない広告(一部のSNS広告など)には、UTMを付けて区別してください。
Q. SNSの投稿すべてに付けるのは手間です。
すべてに付ける必要はありません。比べたい施策、例えば「セミナー案内の投稿」だけに付け、日常の投稿はプロフィール欄のリンクだけに付ける、という分け方でも十分です。どこまで付けるかを一覧の表の横に書いておくと、担当者が迷わずに済みます。
まとめ
UTMは、付け方より「ルールを決めて守ること」が大切です。3つの必須項目を付け、小文字で統一し、使う言葉を一覧にし、キャンペーン名に年月を入れます。サイト内のリンクには付けず、配信前に自分で確認します。書き方をそろえることが、後からの集計と比較を楽にする一番の近道です。
確認リスト
- 3つの必須項目を付けている
- すべて小文字で統一している
- 使う言葉の一覧を共有している
- キャンペーン名に年月を入れている
- 自社サイト内のリンクには付けていない
- 配信前に自分でクリックして確認した
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