コラム

ブログ

本文を触らずに直せる

タイトルとディスクリプションでCTRを上げる

検索結果に表示されているのにクリックされない。この状態は、本文を触らずに改善できる数少ない機会です。書き換えるのはタイトルと説明文だけなので、作業は1本あたり10分程度で済みます。ただし、対象の選び方と効果の確かめ方を誤ると、直したつもりで何も分からないまま終わります。

対象を選ぶ計算も、効果の判定も、実際の数字を当てはめると迷いどころが見えてきます。この記事では、次の1本の記事を選んで直し、確かめるまでを順に追います。

この記事で使う事例(架空のサイト・仮の数字)

  • 中小企業向けのブログ。直近3か月で平均順位4〜6位の記事が4本ある(記事A〜D)
  • 記事C「アクセス解析を始めるにあたって知っておきたいこと」は、表示3,100回・平均5.1位・CTR 2.3%
  • 記事Cがおもに表示されている語は「GA4 初期設定」
  • 4月3日に、記事Cのタイトルと説明文だけを書き換えた

対象の記事を見つける

サーチコンソールの検索パフォーマンスで、ページごとに平均掲載順位とCTRを並べます。対象は順位が高いのにCTRが低い記事です。CTRの水準は順位によって大きく変わるため、1位の記事と8位の記事を比べても意味がありません。同じ順位帯の自社ページ同士で比べ、明らかに低いものを探してください。

事例でいえば、4〜6位の4本のうち3本はCTRが5〜7%台で、記事Cだけが2.3%です。この1本が対象の候補になります。ただし、CTRが低い原因が検索結果の見た目にあるとは限りません。検索結果の上部に答えが直接表示される語では、読者は検索結果だけで用が済み、クリックしにくくなります。この場合はタイトルを直しても変わらないので、対象から外します。

具体的な手順は次のとおりです(画面名は2026年9月時点)。

  1. サーチコンソールの「検索パフォーマンス」で期間を直近3か月にし、CTRと平均掲載順位の表示をオンにする
  2. 「ページ」の表に切り替え、表示回数が少ないページ(3か月で500回未満など)を除く
  3. 残ったページを平均順位で「1〜3位」「4〜6位」「7〜10位」に分ける
  4. 順位帯ごとにCTRの中央値を出し、中央値の半分に届かないページに印を付ける

事例の4〜6位の帯を、この手順で並べると次のようになります。

ページ 表示回数 平均順位 CTR
記事A 2,400回 4.2位 7.1%
記事B 1,800回 4.8位 6.0%
記事C 3,100回 5.1位 2.3%
記事D 900回 5.6位 5.2%

この帯のCTRの中央値は5.6%(6.0%と5.2%の間)なので、半分の2.8%を下回る記事Cが候補です。印を付けたページは、「クエリ」の表でどの語で表示されているかも確かめます。記事Cの場合は「GA4 初期設定」で、記事の中身と合っていました。表示の多い語が記事の狙いと違う場合は、タイトルを直すより、狙いに合う別の記事を用意するほうが先です。

候補が複数あるときは、直したときに増えそうなクリック数で順番を決めます。計算は「表示回数 ×(順位帯の中央値のCTR − 今のCTR)」です。記事Cなら、3,100回 ×(5.6% − 2.3%)で約102回、3か月で100回ほどのクリック増が見込める計算になります。表示回数が900回の記事で同じだけCTRが低くても、見込みは30回程度なので、後回しにします。

この計算は、CTRが中央値まで戻ったらという仮定の上の目安です。実際にどこまで上がるかは分かりませんが、どの記事から手を付けるかを決める物差しとしては十分に使えます。見込みの大きい順に、1週間に2〜3本ずつ直していくと、効果の確認も追いつきます。手を付けるのは、同じ順位帯の中でCTRが明らかに低く、かつ検索結果だけでは答えが済まない語の記事です。

対象から外す記事

CTRが低くても、タイトルを直す対象から外したほうがよい記事があります。1つは、社名や商品名で検索される語が中心の記事。社名で検索した人は、すでに行き先が決まっており、タイトルの書き方でクリックが大きく変わることはありません。

もう1つは、表示されている語と記事の中身がずれている記事です。仮に、「〇〇 求人」で多く表示されている会社紹介の記事は、検索した人の目的と中身が合っていないため、タイトルを直してクリックが増えても、読まれてすぐに戻られます。この場合は、タイトルを直すより、その語で表示されないようにする、または目的に合う別のページへ案内するほうが先です(検索意図の読み方 ― 同じ語でも書く内容が変わる)。

タイトルと説明文の直し方

タイトルと説明文は、検索結果で読者が「この記事を開くか」を決める材料。読者はタイトルで自分の疑問に答えていそうかを見て、説明文で中身を確かめます。そのため、狙う語と、読んで得られるものが一目で分かる形にします。以下の2つに分けて直してください。

タイトル

タイトルは途中で切れて表示されることがあるため、狙う語を先頭に近い位置に置きます。そのうえで、読んだ後に何が得られるかを具体的にし、対象読者を絞る言葉を足すと、選ぶ理由になります。反対に、クリックだけを狙った書き方は、内容が伴わなければすぐに戻られ、かえって逆効果です。

直し方例・注意
得られるものを具体的に「〇〇の方法」→「〇〇の方法 ― 最初にやる3つ」。内容と合っていること
読者の状況を入れる「中小企業の」「専任担当者がいない場合の」など
避けること煽り表現、同じ語の詰め込み、自社の他記事と似すぎたタイトル

事例の記事Cで、書き換えの前後を示します。狙う語は「GA4 初期設定」です。

  • 変更前:「アクセス解析を始めるにあたって知っておきたいこと」
  • 変更後:「GA4の初期設定 ― 入れた直後にやる5つのチェック」

変更前は狙う語が入っておらず、何が得られるかも分かりません。変更後は、狙う語を先頭に置き、得られるものを数で示しています。なお、検索エンジンは設定したタイトルとは別の文を検索結果に表示することもあります。本文の見出しとタイトルの内容がかけ離れていると置き換わりやすいため、タイトルは本文の中身と合わせてください。

直した後に、次の点を声に出して確かめると、よくある失敗を避けられます。

  • 検索結果の幅で途中まで表示されても、何の記事か分かるか
  • 本文にない約束(「完全版」「すべて」など)をしていないか
  • 自社の別の記事と、タイトルの前半が同じになっていないか

3つとも当てはまらなければ、狙う語を前に置き、得られるものを具体的にし、読者を絞るという基本は守れています。

説明文(メタディスクリプション)

説明文は、検索結果でタイトルの下に表示される文章です。順位には直接影響しませんが、クリックするかどうかの判断材料になります。最初に記事が答える疑問を読者の言葉で書き、次に何が分かるかを具体的に書き、80〜120字程度に収めます。「解説します」だけで終わる説明文は、中身が伝わらないため直す価値があります。

記事Cの説明文も、前後で見ておきます。変更前は「GA4の初期設定について解説します。」の一文でした。変更後は「GA4を入れた直後に何を設定すればよいか迷っていませんか。データ保持期間、内部アクセスの除外、成果の登録など、最初に確認する5つの設定と確認方法をまとめました。」とします。最初の文で疑問を示し、次の文で分かることを具体的に並べる形です。

なお、検索エンジンは設定した説明文を使わず、検索語に合わせて本文から抜粋を作ることがあります。使われるかどうかは語によって変わるため、それでも説明文を書く意味はあります。

効果の確かめ方

書き換えた後は、CTRが上がったかを確かめます。ここで最も多い誤りは、CTRだけを見ることです。順位が上がればCTRも自然に上がるため、タイトルの効果なのか順位の効果なのか区別できません。順位が同じ水準のままCTRが上がっていれば、変更の効果と言えます。

  • 変更日を記録する … 記録が無いと、後から前後を比べられません。考え方は施策の前に「何をもって成功とするか」を決めるで扱っています
  • 2〜4週間は待つ … 検索結果への反映に数日から数週間かかることがあります
  • 同時に複数を変えない … 本文や内部リンクも同時に直すと、どれが効いたか分かりません
  • 表示回数も見る … 表示回数が少ない記事は、CTRが偶然で大きく振れます

比べ方の手順です。サーチコンソールの「検索パフォーマンス」で、日付の「比較」を使い、変更前4週間と変更後4週間を並べます。ページのフィルタで対象の記事だけに絞り、表示回数・CTR・平均順位の3つを記録します。変更日そのものは、反映の途中なので両方の期間から外しておきます。

当てはまらない場合もあります。季節で検索のされ方が変わる語では、変更の前後で表示される語の顔ぶれが変わり、CTRも動きます。この場合は「クエリ」の表で、主な語ごとにCTRを比べてください。語ごとのCTRがそろって上がっていれば、タイトルの効果と考えやすくなります。

事例の記事Cで確認します。4月3日を外して、変更前4週間が平均順位5.1位・CTR 2.3%、変更後4週間が5.3位・CTR 4.8%でした。順位はほぼ同じなので、効果と見てよいでしょう。一方、もし順位が5位から2位に上がっていたら、CTRの上昇はタイトルの効果とは言い切れません。

改善を続ける記録の付け方

タイトルと説明文の改善は、1本ずつは小さな作業ですが、続けると記事の数だけ変更が積み重なります。記録がないと、どの記事をいつ直したか、効いたのか効かなかったのかが分からなくなります。次に直す記事を選ぶときにも、過去の結果が手がかりになります。記録は1変更1行の表で十分です。

変更日 記事 変更前のタイトル 変更後のタイトル 前4週(順位・CTR) 後4週(順位・CTR) 判定
4月3日 記事C アクセス解析を始めるにあたって… GA4の初期設定 ― 入れた直後にやる5つのチェック 5.1位・2.3% 5.3位・4.8% 効果あり
4月10日 CPAとは CPAについて CPAとは ― 目標値の決め方と計算例 6.0位・3.1% 6.2位・3.0% 変化なし

判定は「効果あり」「変化なし」「順位が変わったため判定不能」の3つにします。順位が大きく動いた場合は、タイトルの効果と分けられないため、無理に判定しません。3か月ごとに表を見返し、「効果あり」の変更に共通する書き方を探します。仮に、効果のあった変更の多くが「得られるものを数で示す」形だったなら、次の記事でもその書き方を試す根拠になります。

よくある失敗は、効かなかった変更を記録から消してしまうことです。効かなかった変更も残しておかないと、同じ書き方を何度も試すことになります。失敗の記録は、成功の記録と同じくらい次の判断に役立ちます。表の2行目のような「変化なし」も、消さずに残してください。

よくある質問

効果がなければ、何度でも書き換えてよいですか

書き換えること自体に問題はありませんが、間隔は空けてください。前の変更の結果が出る前に次の変更をすると、どの変更が効いたのか分からなくなります。1回ごとに2〜4週間待ち、変更日と結果を記録してから次を試します。2回試しても変わらなければ、原因はタイトル以外にあると考え、検索結果の見え方や狙う語を見直します。

タイトルを直したのに、検索結果の表示が変わりません

まず、再び読み込まれるまで待つ必要があります。急ぐ場合は、サーチコンソールのURL検査から再読み込みを依頼できます。それでも別の文が表示されるなら、検索エンジンがタイトルを置き換えている可能性があります。本文の最初の見出しや、ページ内でよく使われている言葉と、タイトルの内容がずれていないかを確かめてください。

順位が10位より下の記事は、対象にならないのですか

対象から外すのが基本です。11位以下は検索結果の2ページ目以降に出ることが多く、表示されても見られていない場合がほとんどです。その状態でタイトルを直しても、CTRの変化はほとんど測れません。こうした記事は、本文の充実や内部リンクで順位を上げるほうが先です(リライトの優先順位を数字で決める)。

まとめ

順位が高いのにクリックされない記事は、タイトルと説明文だけで改善できることがあります。本文を書き直すより、はるかに少ない手間で済みます。対象は同じ順位帯の中でCTRが低い記事で、効果は順位の変化と切り分けて確かめます。少ない手間で試せる改善だからこそ、変更日の記録と2〜4週間後の確認をセットで行ってください。

確認リスト

  • 同じ順位帯の中でCTRが低い記事を見つけた
  • タイトルの前のほうに狙う語を置いた
  • 何が得られるかを具体的に書いた
  • 説明文を80〜120字で書いた
  • 変更日を記録し、2〜4週間後に順位と合わせて確認する

記事に関することやお仕事のご相談は、下記よりお問い合わせください。

お問合せはこちら

記事一覧
datamake

施策の効果測定と実験設計が専門。 世に出ている成功事例の多くは、比較対象が置かれていないか、社会的背景と施策が分離されていないにもかかわらず、なぜか過去の多数の失敗事...

関連記事一覧