リライトの優先順位を数字で決める
記事が増えてくると、「どれから直すか」が問題になります。すべてを直す時間はありません。選び方には基準があり、既に表示されていて、あと少しで1ページ目に届く記事が、最も少ない手間で動きます。この記事では、選び方から直した後の確認までを説明します。
この記事でわかること
どの記事を選び、どう確かめるかは、同じ記事の数字を追いかけると分かりやすくなります。この記事では、次の4本の記事(仮の数字)を、選ぶところから効果の確認まで使い続けます。
この記事で使う事例(仮の数字)
- 架空の会社のサイトの記事。数字は過去3か月の月平均(仮の数字)
- 記事A:順位13位・表示回数2,000回・クリック率1%・成果0件
- 記事B:順位4位・表示回数800回・クリック率1.5%・成果1件/記事C:順位7位・表示回数300回・クリック率6%・成果2件
- 記事D:記事Aと似た内容で、今回は直さない。順位12位・表示回数1,000回
直す記事の選び方
サーチコンソールの検索パフォーマンスを、ページ単位で過去3か月分見ます。見るのは表示回数・掲載順位・クリック率で、これにGA4の成果数を並べます。優先順位は「少ない手間で、大きく動くもの」から付けます。次の順に候補を拾ってください。
| 順位 | 条件 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 掲載順位 11〜20位で、表示回数が多い | 2ページ目。1ページ目に上がると訪問が大きく増える |
| 2 | 順位は高いのにクリック率が低い | タイトルと説明文だけで改善できる。手間が小さい |
| 3 | 訪問はあるが成果がゼロ | 導線かCTAの問題。本文を書き直さずに済むことが多い |
| 4 | 情報が古くなっている | 画面名や手順が変わった記事。信頼を落とす |
サーチコンソールとGA4の数字は、スプレッドシートで1つの表にまとめます。サーチコンソールからページごとの表示回数・クリック数・掲載順位を、GA4から着地ページごとの成果数を書き出し、ページのアドレスを手がかりに横に並べます。このとき、末尾の「/」の有無やアドレスの後ろに付いたパラメータ(「?」以降)の違いで、同じページが別の行に分かれることがあります。並べる前に、アドレスの書き方をそろえておいてください。
表ができたら、事例の3本に当てはめてみます。記事Aは順位13位・表示回数2,000回・クリック率1%・成果0件、記事Bは順位4位・表示回数800回・クリック率1.5%・成果1件、記事Cは順位7位・表示回数300回・クリック率6%・成果2件です。記事Aは表の1番目の条件に当てはまり、最優先の候補になります。記事Bは上位にいるのにクリック率が低く、2番目の条件に当てはまります。記事Cは順位もクリック率も成果も悪くないので、今回は候補から外します。
逆に、順位が50位以下の記事は後回しにします。少し直しても1ページ目には届かず、検索意図がずれている可能性が高いため、書き直しに近い手間がかかるからです。
どこを直すか
選んだ理由によって、直す場所が変わります。理由を確認せずに本文を書き足すのは、最も効率の悪いやり方です。クリック率の問題を本文で解決しようとしても、検索結果で選ばれない状態は変わらないからです。理由ごとの直す場所は次のとおりです。
| 選んだ理由 | 直す場所と手順 |
|---|---|
| 11〜20位 | まず表示されている語を確認する。想定と違えば検索意図がずれている。ずれていなければ上位記事と読み比べ、抜けている論点を足す |
| クリック率が低い | タイトルと説明文だけを直す。本文は触らない。検索結果に並んだとき、他の記事より具体的に見えるかが分かれ目 |
| 成果がゼロ | 本文ではなく導線を見る。内容に近いサービスページへのリンクが、読み終わる前の位置にあるか確認する |
クリック率が低い記事のタイトルの直し方の例。「リライトについて解説」というタイトルは、検索結果に並んだときに何が分かるのかが見えません。「リライトの優先順位を数字で決める ― 表示回数と順位から選ぶ手順」のように、読むと何ができるようになるかを入れると、他の記事と並んだときに選ぶ理由ができます。説明文も同じで、冒頭に「どんな人の、どんな困りごとに答えるか」を書きます。
11〜20位の記事で抜けている論点を探すときは、上位3〜5件の記事の見出しだけを書き出し、自社の記事の見出しと並べます。上位の記事の多くに共通してあるのに自社の記事に無い見出しが、抜けている論点の候補です。ただし、上位の記事と同じ見出しを足すだけでは差が生まれないので、その論点について自社の経験や具体例で何が言えるかを考えてから書き足してください。
11〜20位の記事でよくある誤りは、文字数を増やすこと自体を目的にすることです。事例の記事Aを3,000字から5,000字にしても、増えた2,000字が上位記事と同じ内容なら、読者にとっての違いは生まれません。
直さないほうがよい記事
数字だけを見ると直したくなるのに、直すより別の対応が向いている記事があります。直しても効果が出ないか、判断するには早すぎる記事です。手を付ける前に、次の3つにあてはまらないか確認します。
- 同じ語を狙った記事が複数ある … 直す前に統合を検討する(カニバリゼーション ― 自社の記事同士で競合する)
- 表示回数がほぼゼロの記事 … 直しても見られない。まず検索意図と狙う語を確認する
- 公開から1か月以内の記事 … 評価が定まっていない。数か月待ってから判断する
表示回数がほぼゼロの記事は、直す前に3つの対応から選びます。1つ目は、狙う語を見直して書き直すこと。自社の顧客が使う言葉で検索して、上位の記事と比べてください。2つ目は、似た記事にまとめること。3つ目は、役目を終えた記事として公開をやめることです。どれを選ぶかの手順はコンテンツ棚卸しのやり方で説明しています。
公開直後の記事の見極めでは、1か月たった時点の順位で判断しない、というのが基準。公開から数か月のあいだは順位が大きく上下することがあり、その途中の数字で直すと、せっかく上がりかけていた記事を崩すことがあります。少なくとも3か月は、表示回数が増えているかどうかだけを見てください。
特に1つ目は、片方を直すと、もう片方の順位が下がることがあります。2本の記事が同じ語で交互に表示されているなら、まず1本にまとめるほうが先です。どちらを残すかは、成果の多いほう、成果に差がなければ表示回数の多いほうを基準にします。
直した後の確認
リライトの効果は、すぐには出ません。順位は日々上下するため、数日で判断すると、ただの変動を効果と取り違えます。確認は次の手順で進めます。
- 直した日を記録する … 後で「いつ直したか」が分からなくなる
- 1か月後に順位と表示回数を見る … それより早い判断は、日々の変動と区別できない
- 同時に複数を直さない … どの変更が効いたか分からなくなる
また、順位が上がった時期に別の要因が無かったかも確認してください。検索エンジン側の更新や季節の影響が重なると、直さなかった記事も一緒に動きます。直さなかった似た記事と並べて、直した記事だけが動いたかを見るのが確実です。
事例の記事Aで、比べ方を示します。記事Aは、直す前の1か月が順位13位・表示回数2,000回、直した後の1か月が9位・2,500回でした。同じ時期に直さなかった記事Dは、12位・1,000回から11位・1,200回に動いていました。記事Dも表示回数が20%増えているので、季節や検索エンジン側の変化による上乗せがあったと考えられます。記事Aの表示回数の増え方は25%で、記事Dとの差は5ポイントほどです。一方、順位は記事Aだけが大きく上がっており、効果の手がかりは順位のほうにあります。
最終的な判断は、直してから3か月後に行うのが安全です。1か月後の確認は「明らかに悪くなっていないか」を見るためのもので、良くなったと結論を出すには短すぎます。記録の表には「直した日」「直した場所(タイトル・本文・導線)」「1か月後」「3か月後」の列を作り、直さなかった比較の記事も1行ずつ並べておいてください。
よくある質問
Q. リライトすると、公開日を新しくしたほうがよいですか。
内容を実際に更新したなら、更新日を表示するのは読者にとって役に立ちます。ただし、誤字の修正や言い回しの調整だけで日付を新しくするのは避けてください。読者は日付を見て「新しい情報が入っている」と期待するので、中身が変わっていなければ期待を裏切ることになります。
Q. 月に何本くらいリライトすればよいですか。
本数より、直した記事の効果を確かめられる数にとどめることが大切です。兼務の担当者なら、月2〜3本を直し、それぞれの直した日と場所を記録する程度が現実的です。一度にたくさん直すと、比べる相手になる「直さなかった記事」が減り、効果を判断しにくくなります。
Q. リライトしたら順位が下がりました。元に戻すべきですか。
直してすぐの上下は、検索エンジンが内容を読み直している途中の変動であることが多く、数日で戻すのは早すぎます。1か月たっても直す前より明らかに下がったままで、直さなかった似た記事は下がっていないなら、直した内容が検索意図からずれた可能性があります。その場合に備えて、直す前の本文を保存しておくと、戻す判断をしたときにすぐ戻せます。
まとめ
リライトは、既に表示されていて、あと少しで1ページ目に届く記事から手を付けます。選んだ理由によって直す場所が変わり、クリック率の問題ならタイトルだけ、成果の問題なら導線だけで済みます。効果は1か月後に、直していない記事と比べて確かめます。本文を書き足すのは論点が抜けている場合に限ってください。
確認リスト
- サーチコンソールをページ単位で見た
- 11〜20位の記事を書き出した
- 直す理由に応じて、直す場所を決めた
- 同じ語を狙った記事が重複していないか確認した
- 直した日を記録し、1か月後に見ることにした
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