コラム

ブログ

検索結果が答えを教えてくれる

検索意図の読み方 ― 同じ語でも書く内容が変わる

「GA4 設定」と検索した人は、設定の手順を探しているのか、設定を代行してくれる会社を探しているのか。同じ語でも、求めているものは違います。ここを読み違えると、良い記事を書いても順位が上がりません。検索意図は推測せず、検索結果から読み取ります。

検索結果の読み方は、実際に語を並べて比べると身につきます。この記事では、次の架空の会社が検討している3つの語を、各節で例として使います。

この記事で使う事例(仮の数字)

  • 経理代行サービスの会社(架空の会社・仮の数字)が、記事で狙う語を3つ検討している
  • 「給与計算 アウトソーシング」:上位10件のうち解説記事8件、サービスページ2件
  • 「経理代行」:上位10件のうち解説記事6件、サービスページ4件
  • 「経理代行 費用」:上位は料金の比較や相場を扱うページが中心

検索意図の4分類

検索意図は、大きく4つに分けて考えると扱いやすくなります。分類の目的は、記事の形を決めることです。意図が違えば、読者が最初に見たいものも、読み終えた後の行動も変わるからです。

種類 求めているもの 語の例
知りたい 意味・仕組みの説明 「〇〇とは」「〇〇 意味」
やりたい 手順・設定方法 「〇〇 設定」「〇〇 やり方」
選びたい 比較・相場・評判 「〇〇 比較」「〇〇 費用」
行きたい 特定のサイト・企業 「〇〇株式会社」「〇〇 ログイン」

成果に近いのは「選びたい」です。検索数は少なくても、すでに依頼先や購入を考えている人が調べる語なので、問い合わせにつながりやすくなります。一方「行きたい」は他社名での検索が多く、自社が狙う対象にはなりにくい分類です。

分類の手がかりは、語の後ろに付く言葉。「とは」「意味」が付けば知りたい、「やり方」「設定」「手順」が付けばやりたい、「比較」「費用」「おすすめ」「評判」が付けば選びたい、という具合です。難しいのは、後ろに何も付かない単語だけの検索です。例えば事例の「経理代行」のように、単語だけで検索する人の中には、言葉の意味を知りたい人も、依頼先を探している人もいます。こうした語ほど、次の節の手順で検索結果を見て判断する必要があります。

事例の語を、分類に当てはめてみます。「給与計算 アウトソーシング」は、一見すると選びたい語に見えます。しかし上位10件のうち8件が「アウトソーシングとは」「メリット・デメリット」の解説記事なので、検索する人の多くはまだ「外に出すべきかどうか」を考えている段階です。この場合、記事は選びたい型ではなく、知りたい型に寄せて書きます。

検索結果から読み取る手順

分類は推測ではなく、実際の検索結果を見て決めます。検索エンジンは、その語で何が求められているかを利用者の反応からすでに判断しており、その答えが上位に並んでいるからです。次の3つの手順で読み取ります。

  1. 上位10件の種類を数える … 解説記事が多ければ「知りたい」、手順のページが多ければ「やりたい」、比較サイトや料金ページ・企業のサービスページが多ければ「選びたい」
  2. タイトルの共通点を見る … 「無料」「比較」「初心者」などの語が並んでいれば、その条件が読者にとって重要
  3. 追加で表示されるものを見る … 「他の人はこちらも質問」や関連検索には、その語を調べた人が次に知りたいことが出る。見出しの材料になる

数えるときは、メモに簡単な表を作ります。上位10件それぞれに「解説」「手順」「比較」「サービス」「その他」の印を付け、種類ごとに件数を数えるだけです。事例の「給与計算 アウトソーシング」なら解説8件・サービス2件で、知りたい意図が中心と判断します。上位3件の種類は特に重く見てください。検索した人の多くが最初に開くのは上位のページだからです。

見るときの注意が2つ。1つ目は、検索結果が人や場所によって変わることです。普段使っているブラウザでは、過去の閲覧に影響されることがあるので、ログインしていない状態や別のブラウザでも確かめます。地域名が関係する商売なら、地図の枠が出るかどうかも意図の手がかりになります。2つ目は、検索結果の上部にAIによる要約が出る語があることです。要約だけで用が足りる質問なのか、要約の下のページまで読まれる質問なのかを考え、記事で答える深さを決めてください。

よくある誤りは、上位が解説記事ばかりの語に、自社のサービス紹介ページで挑むことです。事例の「給与計算 アウトソーシング」のように上位10件のうち8件が解説記事なら、検索した人はまだ依頼先を探していません。その語で上位を狙うなら解説記事を書き、サービスページへは記事の中から案内します。

意図が混ざっている語の扱い

上位10件に、解説記事とサービスページが混在していることがあります。これは、同じ語で調べる人の中に、知りたい人と選びたい人が両方いるということです。どちらか一方に絞った記事では、もう一方の読者をすぐに帰してしまいます。この場合は、次のどちらかを選びます。

  1. 両方に答える1記事にする … 解説を先に置き、後半で選び方に触れる
  2. 記事を分ける … 「〇〇とは」と「〇〇 選び方」で別々に作る

事例の「経理代行」は、上位10件が解説6件、サービスページ4件でした。解説の多くが「経理代行とは」「頼める業務」を扱い、サービスページが料金や対応範囲を載せているなら、読者は「何を頼めるか」と「どこに頼むか」の両方を気にしています。1記事にするなら、前半で頼める業務の範囲を示し、後半で依頼先を選ぶときの比較軸を示す順にします。前半を解説にするのは、上位の比率で多い側の意図に先に答えるためです。

公開した後は、意図が合っていたかを確かめます。サーチコンソールで、その記事がどんな語で表示されているかを見て、狙った語で表示されているか、クリック率が極端に低くないかを確かめてください。狙っていない語での表示ばかりなら、検索エンジンは記事を別の意図の答えとして扱っています。その場合は、記事の書き出しや見出しを狙った意図に寄せて直します。

判断の目安は、上位での比率です。事例の「経理代行」のように解説6件・サービス4件なら1記事で両方に答え、関連検索に「比較」「費用」が多く出るようなら選び方の記事を別に作ります。記事を分けるときは、2本が同じ語で競合しないよう、それぞれ狙う語をはっきり分けてください(カニバリゼーション ― 自社の記事同士で競合する)。

記事の型に落とす

読み取った意図によって、記事の構成が変わります。意図ごとに、読者が最初に確かめたいものが違うからです。対応は次のとおりです。

意図 記事の作り
知りたい 「それを知ると何ができるか」から入る。定義から始めない
やりたい 手順を番号付きで。前提条件を最初に書く
選びたい 選択肢を先に並べ、次に比較軸。自社に誘導しすぎない

事例の「経理代行 費用」は選びたい語なので、見出しは次のような順になります。

  1. 費用の相場を決める3つの要素(作業の範囲、仕訳の件数、訪問の有無)
  2. 依頼の形ごとの費用の考え方(記帳だけ、給与計算まで、決算まで)
  3. 見積もりを比べるときの確認点(含まれる作業、追加料金の条件)
  4. 自社で続けたほうがよい場合、外に出したほうがよい場合

4つ目の見出しが、「自社が向いていない条件も書く」部分です。ここに具体的な条件(例えば「月の仕訳が数十件なら、会計ソフトを使えば自社で足りる」)があると、読者は記事全体を信用しやすくなります。

「選びたい」の記事で自社に誘導しすぎないのは、比較を求めて来た人が、一方的な推薦を読むと信用せずに帰るからです。自社が向いている条件と向いていない条件を両方書くほうが、結果として問い合わせの質も上がります。構成の組み立て方そのものは記事構成の作り方 ― 読まれる順番で扱っています。

よくある質問

Q. 検索結果の顔ぶれは時期によって変わりますか。
変わります。季節の話題や法改正、新しいサービスの登場などで、同じ語でも求められるものが変わることがあります。狙っている語は、半年に1回ほど検索し直し、上位の種類が変わっていないかを確かめてください。種類が変わっていたら、記事の書き出しと見出しの順を見直す合図です。

Q. SEOツールが表示する「検索意図」の分類を使ってもよいですか。
候補を絞る手がかりとしては使えます。ただし、ツールの分類は語の形などから機械的に付けたもので、実際の検索結果と合わないことがあります。記事を書くと決めた語については、最終的に自分で検索して上位10件を数え、ツールの分類と合っているかを確かめてください。

まとめ

検索意図は推測せず、実際の検索結果から読み取ります。上位10件の種類を数えれば、求められている形が分かります。意図が混ざっていれば1記事で両方に答えるか分け、読み取った意図を記事の型に落とします。書き始める前に5分でよいので検索結果を見てください。

確認リスト

  • 狙う語で実際に検索した
  • 上位10件の種類を数えた
  • タイトルの共通点を確認した
  • 「他の人はこちらも質問」を見出しの材料にした
  • 読み取った意図に合う記事の型を選んだ

記事に関することやお仕事のご相談は、下記よりお問い合わせください。

お問合せはこちら

記事一覧
datamake

施策の効果測定と実験設計が専門。 世に出ている成功事例の多くは、比較対象が置かれていないか、社会的背景と施策が分離されていないにもかかわらず、なぜか過去の多数の失敗事...

関連記事一覧