サーチコンソールで改善の兆しを見つける
記事を公開しても、すぐには読まれません。検索からの流入が増えるまでには時間がかかります。この間、何も起きていないように見えますが、サーチコンソールには変化が現れています。この記事では、その兆しの見つけ方と、見つけた後の動き方を説明します。
この記事でわかること
兆しの読み方は、1本の記事の数字を追うと具体的に分かります。この記事では、次の架空の記事を例にとり、数字の見方から直した後の確認までを説明します。
この記事で使う事例(仮の数字)
- 架空のサイトの、公開から2か月の記事「GA4の設定」(仮の数字)
- 直近28日間の表示回数は800回(前の28日間は200回)。平均掲載順位は40位→18位、クリック率は1%
- 表示の内訳は、「GA4 設定 確認方法」が3位で100回、「GA4 設定」が20位で700回
- GA4で見た訪問は月5〜8件で、ほとんど変わっていない
見るべき4つの数字
サーチコンソールで見る数字は、表示回数・クリック数・クリック率・掲載順位の4つです。この4つは独立しておらず、動く順番があります。表示回数と掲載順位が先に動き、クリック数は後から付いてきます。ページが検索結果に出るようになり、順位が上がって初めて、開く人が増えるからです。
| 数字 | 意味 |
|---|---|
| 表示回数 | 検索結果に自社のページが表示された回数 |
| クリック数 | そこから実際に開かれた回数 |
| クリック率 | 表示のうち何%が開かれたか |
| 掲載順位 | 検索結果での平均的な位置 |
4つの数字は、「クリック数 = 表示回数 × クリック率」の関係でつながっています。事例の記事は、表示回数が800回、クリック率が1%なので、クリックは8回です。順位が上がってクリック率が3%になれば、表示回数が同じでもクリックは24回になります。クリックが少ないときは、表示回数が足りないのか、クリック率が低いのかを分けて考えると、直す場所が見えてきます。
よくある誤りは、GA4の訪問数だけを見て「この記事は動いていない」と判断することです。事例の記事も、GA4の訪問は月5〜8件でほとんど変わっていません。それでも表示回数は200回から800回に増え、平均掲載順位は40位から18位に上がっており、記事は評価され始めています。
掲載順位を読むときの注意点は、それが「平均」であること。1つのページは、たいてい複数の検索語で表示されています。事例の記事は、「GA4 設定 確認方法」では3位で100回、「GA4 設定」では20位で700回表示されていました。ページ全体の平均順位は表示回数で重み付けされて約18位になります(3×100+20×700を800で割った値)。「GA4 設定 確認方法」では十分に上位にいるのに、ページ単位の数字だけを見ると「18位前後の記事」に見えてしまいます。
同じ理由で、表示回数が増えたのに平均順位が下がる、ということも起こります。新しく低い順位の語で表示され始めると、表示回数は増え、平均順位はその語に引っぱられて下がります。これは悪い知らせではなく、記事が扱える語の幅が広がったという兆しであることが多いです。ページ単位の数字が気になったら、必ず検索語の単位に分けて確かめてください。
改善の兆しの見つけ方
兆しは、手を入れれば伸びる可能性がある状態のことです。見つけ方は次の3つの型に整理できます。型ごとに、直す場所も決まっています。
| 兆し | 意味と、手を入れる場所 |
|---|---|
| 表示回数が増えているのにクリックが少ない | 検索結果に出ているが選ばれていない。タイトルと説明文を、検索した人の言葉に合わせて見直す |
| 掲載順位が11〜20位に入ってきた | 検索結果の2ページ目。内容を足したり整理したりすれば1ページ目に届く可能性がある。新しい記事を書くより早いことが多い |
| 想定と違う語で表示されている | 読者の関心がそちらにあるという情報。その語に合わせて見出しを足すと、実態に合ったページになる |
探す手順は次のとおりです(画面名は2026年9月時点)。
- 「検索パフォーマンス」を開き、日付の設定で「比較」を選んで、直近28日間と前の28日間を並べる
- 表の「ページ」の欄で、表示回数の差が大きい順に並べ替える
- 気になるページをクリックして絞り込み、「クエリ」の欄に切り替えて、どの語で表示が増えたかを見る
- 語ごとに、上の3つの型のどれに当てはまるかをメモする
3つ目の型は、事例の記事に当てはまります。「GA4 設定」を狙った記事なのに、「GA4 設定 確認方法」で上位に表示され、「GA4 反映されない」でも表示されていました。読者は設定の手順より、設定がうまくいっているかの確かめ方を知りたがっている可能性があります。この場合、記事の中に「設定できたかを確かめる」見出しを足すと、表示されている語と中身が合ってきます。
見るときは期間の取り方に注意します。サーチコンソールのデータは数日遅れて確定するため、直近数日だけを見ると数字が小さく見えます。28日間などの幅で、前の期間と比べてください。
兆しが見えたらやること
兆しを見つけると、あれもこれも直したくなります。しかし同時に多くを直すと、どれが効いたか分からなくなります。次の順番で進めてください。
- 手を入れる記事を1〜2本に絞る:11〜20位で表示回数が多い記事を優先する
- 直した日を記録する:数字の変化と結びつけるために必要
- 1か月待つ:検索結果への反映には時間がかかる。数日で判断しない
- 表示回数・順位・クリックの順で確認する:クリックだけを見ていると、改善が進んでいても気づけない
兆しと呼んでよいかの判断には、件数の下限を置きます。表示回数が月に数十回しかないページでは、順位や表示回数の変化はほとんど偶然で起こります。例えば「28日間で表示回数100回以上のページだけを見る」のように、自社で下限を決めておくと、小さな数字の上下に時間を取られずに済みます。下限に届かないページは、数か月まとめて見るか、今は見ないと割り切ってください。
直し方も、型によって変わります。クリック率の型ならタイトルと説明文だけ、2ページ目の型なら上位の記事と比べて足りない論点の追加、想定外の語の型なら見出しの追加です。型と直し方をずらさないことが、効いたかどうかを確かめる前提になります。直し方の詳しい手順はリライトの優先順位を数字で決めるで説明しています。
1か月後に確認するときは、直さなかった似た記事の数字も並べます。検索エンジン側の更新や季節の影響があると、直さなかった記事も同じように動くからです。直した記事だけが動いていれば、手を入れた効果と考えられます。
記録は、スプレッドシートに1行ずつ残せば十分です。列は「ページ」「当てはまった型」「直した日」「直した場所」「直す前の28日間の表示回数・順位・クリック」「1か月後の同じ3つ」「比べた記事の同じ3つ」とします。事例の記事を直して、1か月後に順位が18位から12位に上がり、比べた記事は17位から16位だったなら、直した記事のほうが大きく動いたと読めます。何行かたまると、自社のサイトではどの型の直し方が効きやすいかも見えてきます。
よくある質問
Q. 公開したばかりの記事は、いつから見ればよいですか。
公開から数週間は、表示回数がほとんど無いのが普通です。1〜2か月たったころに、表示されている語と順位を初めて確かめ、3か月ほどで兆しの型に当てはまるかを判断するのが目安です。それより早く直すと、評価が定まる前の記事を崩すことがあります。
Q. 過去のデータはいつまで見られますか。
サーチコンソールで見られる検索パフォーマンスのデータは、過去16か月分です(2026年9月時点)。それより古い期間とは比べられないので、前年の同じ時期と比べ続けたいなら、毎月、ページごと・語ごとの数字を書き出して保存しておいてください。書き出しを習慣にしておくと、直した日の記録とも並べやすくなります。
Q. 表示回数が急に大きく減りました。記事に問題があるのでしょうか。
記事の問題とは限りません。まず、サイト全体の表示回数も同じ時期に減っていないかを見ます。全体が減っているなら、検索エンジン側の更新や季節の影響、あるいはサイトの設定の問題が考えられます。特定のページだけが減っているなら、そのページが検索結果から外れていないかを、URL検査で確かめてください。
まとめ
検索からの流入は、表示回数と掲載順位が先に動きます。クリックが増えないからといって、何も起きていないとは限りません。兆しは3つの型で見つかり、中でも2ページ目に入った記事は手を入れる価値が高い位置です。訪問数より先に表示回数と順位を見て、2ページ目の記事から直してください。
確認リスト
- 表示回数・順位・クリックを分けて見ている
- 28日間などの幅で前の期間と比べている
- 11〜20位のページを把握している
- 想定外の語で表示されていないか確認した
- 直した日を記録している
- 判断まで1か月待っている
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